7:1や10:1などの看護の比率の違いについて

回復期と療養期で変わる勤務環境。7:1や10:1は転職ではそれほど重要ではない?

入院病棟は看護師の数1人に対して患者を何人受け入れるかで診療報酬が変わってきます。少なければ良いものではなく、バランスや患者の状態が重要になってきます。

7:1や10:1看護の特徴

看護師としての勤務環境が病棟勤務の場合は、「7:1」「10:1」など、看護師1人当たりが受け持つ患者の人数の割合が勤務先によって変わってきます。

この人数の割合によって、患者が入院をした際に支払う入院基本料が変わってきます。
健康保険適用になる入院療養は、それぞれ人数の割合に応じて診療報酬の点数の基準が一律化されています。

笑顔で勤務する看護師
一般的な受け持ち人数区分
  • 7:1 / 10:1 / 13:1 / 15:1

この4種類に区分されています。

看護師1人あたりの受け持つ人数が少ない程、患者は高い診療報酬を支払う事になります。

回復期か療養期によって変わる

看護師1人当たりの患者の割合は、療養病棟回復病棟かによって変わってきます。

7:1や10:1など、看護師1人あたりの受け持ちが少ない場合は療養病棟である事がほとんどです。
受け持つ患者の数が少ない分、患者1人当たりにかかる手間や負担は大きくなります。

15:1など高い割合の場合は主に回復期であり、人数は多いが看護性が少ない(入浴や排泄の世話がほとんどない)という特徴があります。

それぞれ一長一短がある

単純に考えると、

  • 療養期の場合では10:1よりも7:1
  • 回復期の場合では15:1よりも13:1

の方が看護師1人あたりの負担は少ないです。

しかし軽度の患者であった場合、同じ治療に対して入院費が高くなってしまう7:1よりも、入院費が安くなる10:1を望む患者もいます。

看護師の受け持ち区分を考える女性イラスト

こうした事情から、最初は楽だと思って入職した7:1や10:1の勤務環境が、結果として手のかかるわがままな患者のおかげで激務になる可能性もあるのです。

それに対して、15:1の場合であったとしても、患者1人に対しての負担は少ないですが、人数が多ければ雑務は増えます。

患者の比率の問題は、質を妥協するか量を妥協するかの問題であり、比率が少なければ良いというものではないのです。

ちなみに病院側(経営者)から見れば、病棟が満室になっていない時でも入院患者からの診療報酬の単価が高くなる7:1の方がメリットは大きいと言われています。

比率の変化は病院による

一般的な総合病院などでは、回復期の病棟と療養期の病棟で患者と看護師の比率が変わってきます。
しかし専門性が高い病院や小規模の病院では病棟によって比率が変わることはあまりありません。
病院全体が同じ比率で運営されています。

7:1の職場は少ない

お風呂や排泄の世話などを苦にしない人や療養病棟でも構わない人に人気が高いのが7:1の環境です。
しかし、最近では7:1の勤務環境は非常に少なくなってきています。

その最大の理由は、看護師の人材不足です。

7:1で運営するには、ベッド数に対してそれなりの人数の看護師を用意しなければいけません。
7:1で運営したくても、人手不足の影響から10:1にせざるを得ない状況の病院が多いです。

7:1で求人を出している病院は要注意

7:1の職場環境を謳っている求人は、検索するとたくさん出てきます。

注意点

しかし実際には複数ある病棟のうち7:1の環境はひとつしか存在せず、違う病棟に配属されることもあります。
もしも希望通り7:1の病棟に配属になったとしても、病院によっては手間のかかる患者ばかりを入院させているところもありますので、結果としては比率が高い他の病棟よりも激務になってしまう可能性もあるのです。

患者の比率や診療報酬の基本料を気にする事は大切ですが、そこにこだわりすぎても良い事はありません。

仕事の量や質など、全般的な事を考慮して検討するようにしましょう。

7:1や10:1で給料は変わる?

患者を受け持つ人数の比率は、給料には反映されません。
比率が少なければ診療報酬の単価は上がり、比率が多ければ患者数が多くなります。

実際には病棟や科によって売上や利益率は変わってきますが、そこを看護師に対して給料で還元したり、病棟ごとに差を付ける事はありません。

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